要約
① defenseがCover-8 Trixを敷いていると見破ったLowrenceはaudibleをかける
② Dagger Sit conceptを採用
③ primary targetの#2 verticalは、位置関係的にmismatch
④ back-side safetyはtrix callのため、#2のverticalは見ない
⑤ digやsitで他のdefenderを引きつける
⑥ Lawremceによる正確なread progression
まずは動画からご覧に入れたい。
— まにまに (@dal_kc_manimani) 2023年1月17日
Pre-snap の audible
2022, Wild Card, Jacksonbille vs Los Angels, 1:02 remaining in the 3rd quarter, 1st-&-10
pre-snap。
Jaguarsは3x1 setである。
対して、Chargersはtilted 2-high lookであり、これからsingle-highにも2-highにも移行しうる。
ここで、Lawrenceが何かに気づき、audibleを出した。
※audibleとは...
snap前に相手defenseのalignmentを見て、臨機応変にplaycallを変更すること。
Cover-8 Trix
いま、Chargersのcoverageは、上図のようなCover-8 Trix (HQQ Trix)である。
(ただし、これはあくまで定義通りの絵)
※Cover-8とは...
HQQ: Half-Quarter-Quarterのこと。
pass-strong-sideをCover-2、pass-weak-sideをCover-4で守る。
trips-sideにspecific-receiverがalignしている時効果的。
※Trixとは...
weak-side safetyがtripsの#3 receiverのverticalをcoverするcall。
通常のdefenseでは、3x1の#3のverticalとinside-linbackerのmismatchが生じるため、それを補完するために生まれた。
上図が、今回の実際のCover-8 Trixである。
・#3 (Kirk)のverticalをback-side safety(James)がcover
・TEをCBがman-to-man (trix callによりsafetyのhelpを受けられないため)
・RBをwill linebackerがman-to-man
Dagger Sit concept
いま、Jaguarsのplayは、Dagger-Sit conceptである。
#1がdeep dig, #2がvertical, #3がsitを走る。
TEはomahaを走り、spaceを空ける。
vs single-high → #1 dig
vs 2-high → #2 vertical
vs man → #3 sit
がprimary targetとなる。
今回は、vs 2-highであるため、#2 verticalが第一候補である。
先述したように、back-side safetyが#3のverticalをcoverする。
trips-sideのsafetyはdeep 1/2を持つ。
そのため、#2のverticalは
・weak-side safetyは#3のverticalを見ているため担当外
・trips-side safetyのhelpは補助的にしか受けられない
ことより、nickel(CB)のCallahanがman-to-man気味になる。
JonesとCallahanの位置関係的に、Jonesのvertivalをman-coverすることが難しいのは明らかである。
snap後の位置関係
以降、snap後のJones (#2)とCallahan(CB)、James(S)の位置関係に注目されたい。
Jones(#2)は初速からトップスピードに乗っている。
trixであるため、James(S)は#3(sit)をreadしている。
#1(dig), #2(vertical)ともにdeepを走ろうとしているため、trips-sideのsafetyは深みをとっている。
Callahan(CB)が途中でJones(#2, vertical)についていけなくなった、もしくはついていくのを辞めた。
coverage-ruleの理解を誤った可能性が高いが、#1のdig routeが彼を引きつけたことは間違い無いだろう。
また、back-side safetyのJamesはtrixのcall通り、#3のsitしか見ていない。
その結果Jonesの#2 verticalがopenになり、39-yds touchdownとなった。
Lawrenceのread progression
最後に、QB Lawrenceの目線に言及して終わりにしたい。
Lawrenceはsnap前、defense全体のalignmentを確認した。
snap後、視線を少し左のback-side safetyに移し、
back-side safetyが、#3をreadしていることより、trixであると確信。
今度は滑らかにweak-side CBに目線を移し、彼がdeep 1/4をcoverしておらず、receiverをman-to-manしていることを確認。
(もしCBがdeep1/4を持っていた場合、Jonesの#2 verticalがcoverされる可能性があるからである。)
最後に目線を#2のJonesを見て、思惑通りwide openになっていることを確認すると、
投げた。
— まにまに (@dal_kc_manimani) 2023年1月17日
— まにまに (@dal_kc_manimani) 2023年1月17日