詰めフット

詰めフット

よっしゃー・すっげー・えっっぐを卒業するためのNFL観戦法

詰めフット

Cover-8 TRIXを見破り、最も効果的なconcept にaudible [Lawrence]

要約

① defenseがCover-8 Trixを敷いていると見破ったLowrenceはaudibleをかける

② Dagger Sit conceptを採用

③ primary targetの#2 verticalは、位置関係的にmismatch

④  back-side safetyはtrix callのため、#2のverticalは見ない

⑤ digやsitで他のdefenderを引きつける

⑥ Lawremceによる正確なread progression

 

まずは動画からご覧に入れたい。

 

Pre-snap の audible

2022, Wild Card, Jacksonbille vs Los Angels, 1:02 remaining in the 3rd quarter, 1st-&-10

pre-snap。

Jaguarsは3x1 setである。

対して、Chargersはtilted 2-high lookであり、これからsingle-highにも2-highにも移行しうる。

 

ここで、Lawrenceが何かに気づき、audibleを出した。

 

※audibleとは...

snap前に相手defenseのalignmentを見て、臨機応変にplaycallを変更すること。

 

Cover-8 Trix

いま、Chargersのcoverageは、上図のようなCover-8 Trix (HQQ Trix)である。

(ただし、これはあくまで定義通りの絵)

 

※Cover-8とは...

HQQ: Half-Quarter-Quarterのこと。

pass-strong-sideをCover-2、pass-weak-sideをCover-4で守る。

trips-sideにspecific-receiverがalignしている時効果的。

※Trixとは...

weak-side safetyがtripsの#3 receiverのverticalをcoverするcall。

通常のdefenseでは、3x1の#3のverticalとinside-linbackerのmismatchが生じるため、それを補完するために生まれた。

 

上図が、今回の実際のCover-8 Trixである。

・#3 (Kirk)のverticalをback-side safety(James)がcover

・TEをCBがman-to-man (trix callによりsafetyのhelpを受けられないため)

・RBをwill linebackerがman-to-man

 

Dagger Sit concept

いま、Jaguarsのplayは、Dagger-Sit conceptである。

#1がdeep dig, #2がvertical, #3がsitを走る。

TEはomahaを走り、spaceを空ける。

vs single-high → #1 dig

vs 2-high → #2 vertical

vs man → #3 sit

がprimary targetとなる。

今回は、vs 2-highであるため、#2 verticalが第一候補である。

 

先述したように、back-side safetyが#3のverticalをcoverする。

trips-sideのsafetyはdeep 1/2を持つ。

そのため、#2のverticalは

・weak-side safetyは#3のverticalを見ているため担当外

・trips-side safetyのhelpは補助的にしか受けられない

ことより、nickel(CB)のCallahanがman-to-man気味になる。

 

JonesとCallahanの位置関係的に、Jonesのvertivalをman-coverすることが難しいのは明らかである。

 

snap後の位置関係

以降、snap後のJones (#2)とCallahan(CB)、James(S)の位置関係に注目されたい。

Jones(#2)は初速からトップスピードに乗っている。

trixであるため、James(S)は#3(sit)をreadしている。

#1(dig), #2(vertical)ともにdeepを走ろうとしているため、trips-sideのsafetyは深みをとっている。

 

Callahan(CB)が途中でJones(#2, vertical)についていけなくなった、もしくはついていくのを辞めた。

coverage-ruleの理解を誤った可能性が高いが、#1のdig routeが彼を引きつけたことは間違い無いだろう。

また、back-side safetyのJamesはtrixのcall通り、#3のsitしか見ていない。

 

その結果Jonesの#2 verticalがopenになり、39-yds touchdownとなった。

 

Lawrenceのread progression

最後に、QB Lawrenceの目線に言及して終わりにしたい。

Lawrenceはsnap前、defense全体のalignmentを確認した。

 

snap後、視線を少し左のback-side safetyに移し、

 

back-side safetyが、#3をreadしていることより、trixであると確信。

 

今度は滑らかにweak-side CBに目線を移し、彼がdeep 1/4をcoverしておらず、receiverをman-to-manしていることを確認。

(もしCBがdeep1/4を持っていた場合、Jonesの#2 verticalがcoverされる可能性があるからである。)

 

最後に目線を#2のJonesを見て、思惑通りwide openになっていることを確認すると、

 

投げた。