Mahomesの出現により2018 seasonから圧倒的な強さを誇ってきたchiefs。
しかし、2021 seasonはweek 5終了時点で2-3と負け越している。
なぜなら、昨シーズンのSuper BowlのBuccaneersによって、
2-high, no blitz, Hillをdouble cover
がchiefsのexplosiveなoffenseを食い止める最適解であることが示され、多くのteamがこのsystemを採用し始めたからである。
※このことはSuper Bowlの復習記事を参照されたい。
どのようにしてChiefsのexplosiveなOffenseをBucsが完封したのか【backs編①】 - 詰めフット
どのようにしてChiefsのexplosiveなOffenseをBucsが完封したのか【backs編②】 - 詰めフット
研究され尽くし、窮地に追いやられたchiefsに復活の希望を与える戦い方が見られた。
その戦い方とは、chiefs十八番のmotionを巧みに用い、man-match coverage(Cover-7)をbeatするものである。
以下に紹介する。
Week 6 2021, Kansas City at Washington, 0:38 remaining in the 2nd quarter, 2nd-&-15
chiefsは例のごとく3x1 setsである。
それに対し、washingtonはStumpを敷いている。
Stump: man-match coverageの一種。詳細は以前の記事を参照されたい。
corner#1をMOD、starはFirst to flat、moneyはPost #3をplayする。
ここで言及しておきたいことは、money(●)が
#3がunderneathへ走った → wallする
その他 → post
という役割を持っており、field sideをreadすることである。
※postとは、receiverを追いかけるのではなく、zone offすることである。
#3がunderneathへ走った場合moneyはWALLする。
#3がその他のrouteを走った場合、moneyはPOST (zone off)
ここで#3がmotionする。
これに対し、
washingtonはStumpの2x2 versionであるMODにcoverageを変更した。
※MODの詳細は以前の記事を参照されたい。
この変更を受けて、secondary defendersの役割は上のように変わる。
ここで注意したいのは、moneyの担当がboundary sideの#3(つまりRB)になったことである。
motion前 → field sideをread
motion後 → boundary sideをread
RB(●)はoffset(QBから遠目にsetしpass routeにでやすい)からswingを走った。
defenseは彼を"fast 3"とみなし、他のreceiversとの位置関係的に「実質#2」と考える。
また、Kelce(●左)がchip blockからHitchを走ることにより、彼は "final 3"となり、「実質 #3」と考える。
そのため、MODを敷いているdefenseは "push" callをし、mac(●左)がRBを、money(●)がKelce(●中央)をcoverするよう変更しなくてはならない。
※ fast 3, final 3...詳しくは以前の記事を参照されたい。
Sabanが生んだCover-7① (vs 2x2) "Bracket" - 詰めフット
Sabanが生んだCover-7⑥ (vs 3x1) "Stump" - 詰めフット
snap前後の正しいassignmentをまとめると以下のようになる。
しかしmotionによって自身のresponsibilityの適切なredefineができていないmoney(●)は、motion前のようにfield sideをreadし、
上のようにsnap後field sideにzone offしてしまった。
そのため、Kelce(●)とmoney(●)の位置関係を見ると、
Kelceはunderneathでかなりopenになっているのがわかる。
↓動画
— まにまに (@dal_kc_manimani) 2021年10月22日
以上、motionを利用したman-match coverageの攻略を紹介した。
昨シーズンまで圧倒的な力を誇ったteamがここまで勝てなくなるとは...
研究と対策次第で強さの均衡をいとも簡単に変えられるfootballならではの魅力を再認識させられている。
ここから、HC Andy ReidとOC Eric Biennemyがどのように戦術を組み立て直すのか、非常に楽しみだ。