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よっしゃー・すっげー・えっっぐを卒業するためのNFL観戦法

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Romoをも騙した! Andy Reidのcrazy call!? 勝ち確の4th down gambleとは?

Tony Romoとは?

Tony Romoは、Dallas Cowboysで2016年までplayした元QBであり、

現在はanalyst兼commetatorとして活躍している。

彼は、非常にfootball IQが高く、試合中ズバズバplay予想を的中させることで有名。

 

 

last playでのcrazy call

そんなRomoがすっかり騙されてしまったのが、Divisional Round Chiefs vs Brownsのlast playだ。

まずは、そのplayをご覧あれ。

 

Romoの予想

"You're trying to draw them offsides.

Take a timeout, take it down, let the time clock tick.

Try and draw them offsides.

There's no play.

Just look at the body language."

 

 3QにMahomesが脳震盪で退場し、5点差まで追い上げられている第4Q残り1分15秒。

直前の3&14で、backup QBのChad Henneが決死のScrambleでyardsを稼いだものの、down更新にはギリギリ届かず、4th down inches。

 

TDさえ取られなければいいため、誰もがpuntを選択すると思っていたその時。

Chiefsはempty formation(=0RB)をとっているではないか。

 

ここでRomoは考えた。

”なるほど、Brownsのoffsideを誘っているんだ。

時計が動いているギリギリまで待って、Timeoutをとり、

またsetしてoffsideを誘ってはTimeoutをとり、を繰り返す。”

 

確かに言われてみれば、4&inchesの運命のかかった重要な局面であるのにも関わらず、Chiefsの選手たちは非常にrelaxしているように見える。

backup QBのHenneの落ち着き様を見れば尚更である。

 

そこで確信したRomoが言う。

"There's no play. Just look at the body language."

 

しかし、次の瞬間。

実況のJim Nantzが叫ぶ。

Oh, there is a play.

Henne, rolling out, throws it!

HILL!!

 

しばらく呆気に取られていたRomoは興奮気味に言い訳を口にする。

"Only Andy Reid gets in shotgun on 4th and an inch!

And throws the ball with a backup quarterback!

There's no way!

He shocked everybody!

I mean that is impossible.

I've never seen it."

 

Tony Romoが気になった方は、以下の記事(↓)がおすすめです。

このシーンについても、言及されています。

theathletic.com

 

 

crazy callに隠された勝ち確の緻密な戦略

pre-snap戦略

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初め、Chiefsは、RBをreceiverとしてsetさせ、3by2のempty formationをとっていた。

Henneの立ち方にもなんと言うか覇気が感じられないし、

LT(青矢印)なんて、setせず立っちゃってるし。

こう言う些細な演技が、Romoにすら "Ther is no play." って思わせるのだろうし、

実際、BrownsのDLにも戸惑いが見受けられている。

 

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RBのmotionにぴったりついてきたため、Henneはman coverageであると確認。

(事前のscoutingによって、このalignmentに対してBrownsがman coverageを敷いてくることはわかっていたらしい)

もし、Brownsがzone coverageを敷いてきていたら、Romoの予想通り、時間をたっぷり使ってplayはしなかっただろう、と解説されている。

 

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RBをQBの右横にsetさせた。

 

↓参考

 

どういったconceptなのか

実はこのcocept、Week 14のDolphins戦でも4th down gambleで使われていた。

(この試合の解説もRomo)

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このplayでは、初めからshot gun formationであり、RBをmotionさせていない。

しかし、明らかにcover-0(全員がman coverage)である。

体の大きなKelceを一列目、小柄(といっても176cm)なHillを二列目にsetさせ、自然な形で段差を作ることに成功している。

 

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Hillが俊敏さを生かして、彼のresponsibleを持つDBを置き去りにする。

 

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Kelceがしっかりとpickできている。

 

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KelceはHillのresponsibleをも邪魔することができている。

 

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元からあった段差+Kelceがしっかりとpickしていることにより、Hillの前には少しのspaceができた。

 

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↓参考

 

試合後

第4Qの終わりにさしかかったChiefsの2nd down。

 

どうしてもdownを更新したい状況であるのにも関わらず、backup QB HenneはDE Myles Garrettのsackを受け、大きくlossしてしまう。

(これは、Henneのミスによるものではなく、Huddle時にplay callをあまり聞き取れていなかったTE Kelceが誤ったrouteを走ってしまったに起因すると言う。)

 

3rd & 14、KelceとHillがしっかりとcoverされていたのを受けて、Henneはscrambleを決断。

気迫のこもった頭からのdiveで、down更新まで残り数inchesまで回復した。

"This team has given me so much , so I put my body out there for them."

とHenneは語っている。

 

この状況で、このcrazyなplayがcallされたわけであるが、これについて

"There was no doubt.

Everybody knew we were going to go for that on our sideline.

Guys just went,

'Hey, there's no tomorrow. Let's go.'"

とReidは振り返っている。

backup QBに最後の大事な大事な局面でこの大仕事を任せられる、Chiefsのsidelineの雰囲気の良さがよく表れている。

 

no playに思わせる些細な演技、

motionを使ってのpre-snap read

こだわったreceiverのset位置

sidelineの雰囲気

 

これらdetailにこだわる姿勢が、今のChiefsに圧倒的な強さをもたらしているのであろう。

 

(なお、試合前日の final game-planning meetingにて、ReidはMahomesとHenneに、4&1のsituationの攻略について相談し、このplayに決めたと言う。)

 

 

↓参考

 

↓感動を体験したい方は、

theathletic.com

youtu.be